市販薬の扱いに注意しよう。
風邪薬に潜むリスク
最近は、新型コロナウイルスの影響で、のどの痛みやせきに、敏感になってきているのは、決して私だけではないはずです。
こうした症状に、微熱などを感じれば、とりあえず対応策として、市販の風邪薬を飲む方も多いかと存じます。
確かに、症状を抑えるための手立てとしては、有効な方法かと思います。
しかし、その一方で、風邪薬に潜むリスクというものを、理解しておかなければならないんです。
私たちは、風邪の症状と思えば、すぐに市販の風邪薬を飲んでしまいがちですが、そこにはデメリットやリスクというものがあるからです。
スティーブンス・ジョンソン症候群
スティーブンス・ジョンソン症候群は、皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、皮膚や粘膜の過敏症などを引き起こす病気の症状なんです。
スティーブンス・ジョンソン症候群が恐ろしいのは、38℃程度の発熱が続くことや咽頭痛などで、風邪の症状と間違えてしまうことにあります。
原因はさまざまですが、一部の薬剤の副作用あるいは、ウイルスやマイコプラズマによる感染、トリクロロエチレンなどの化学物質や悪性腫瘍または、原因不明というケースもあるようです。
怖いのは、初期症状が風邪に似ていることで、総合感冒薬等や病院で処方された抗生物質などを服用した際に、重症化してしまうケースがあるからです。
自己判断はとても危険
スティーブンス・ジョンソン症候群は、略してSJSと呼ぶ場合もあります。
発生のメカニズムは、いまだよくわかっていなくて、アレルギー反応の一つではないかと推測されているそうです。
この病気に冒されると、スイッチが入ったように、症状が次から次に追加されてしまい、最終的には火傷のような症状で、全身の皮がむけてしまうこともあります。
当然、皮膚呼吸も困難になり、患部が体表の10%未満であっても、致死率が5%を超えるといわれる恐ろしい病気なんです。
したがって、風邪の症状だと思っても、簡単に自己診断してしまうのは非常に危険だということです。
また、アレルギーにかかりやすい方が、なりやすいというわけでは無いため、やはり専門の病院にかかるのが一番ということになります。
副作用にどう対処するのか
SJSは、肺炎や肝臓の障害になることも報告されているそうです。
最近では、健康食品ブームとして、様々なサプリメントを利用している方も多いかと思います。
しかし、そうしたサプリも、危険性がないとは言えないので、注意するに越したことはなさそうですね。
まだ、よく分かっていないSJSなのですが、発症の初期に的確な治療を行えば、多くの副作用の重篤化は防げると考える医師もいらっしゃいます。
専門の医師でも、病気の判断はかなり難しく、風邪以外にもおたふくかぜや水ぼうなどと、SJS患者の約4割が誤診されていたといいます。
副作用が出たと思われる方は、自分はSJSの可能性が高いですと素直に申し出て、医師の指示を仰ぐのがベストと言えるでしょう。