肥満症薬が承認されたらしい

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肥満症薬が承認されたらしい

肥満症に効く薬「ウゴービ」が承認へ

厚生労働省によると、2023年1月、薬食審・医薬品第一部会にてセマグルチド(ウゴービ皮下注)という、肥満症などを対象とした薬を近々承認することが決まりました。
正式な承認となると、国内で新たな肥満生薬を利用できるようになります。

ウゴービとは「セマグルチド」が一般名で、分類ではGLP-1受容体作動薬となります。
ですので、基本的にレベルサスやオゼンピックのような糖尿病治療薬と成分は同じです。
投与の方法もこれらと同じく、皮下注射を週に1回行います。

投与量には5種類があって、最初は0.25mgからのスタートです。
そのほか0.5mg、1.0mg、1.7mg、それに2.4mgまでの計5段階があり、0.25mgから始まって4週ごとに次の段階へと量を増やしていきます。
オゼンピックの場合、1.0mgが投与量の最大でした。
それが、ウゴービの場合2.4mgまで最大投与量を増やせるので、より大きな効果が見込めるのではないでしょうか。

ウゴービは脳に作用して、食欲調整機構に働きかけて食べたい気持ちを抑える効果が期待されています。
また、胃の蠕動運動を抑制する効果もあるそうです。
簡単に言うと、食欲がなくなるので食べる量が減り、それで肥満が解消するという仕組みになります。

ウゴービとはどんな薬?対象者や期待できる効果

厚生労働省の発表によると、ウゴービの対象者は高血圧、脂質異常症、もしくは、2型糖尿病を患っている人です。
ただし、これらの病気を抱えているだけでなく、運動や食事療法を試しても十分な効果がなかった人に限られます。
具体的には、BMIが27以上あり、かつ肥満関連の健康障害が2つ以上あることです。
その健康障害には、脳梗塞、冠動脈疾患、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群などがあります。
また、上記の健康障害がなくても、BMIが35以上の人は対象です。

そんなウゴービですが、これを投与することによって具体的にどのぐらいの体重減少が期待できるのでしょうか。
臨床試験のデータによると、ウゴービを1.7mg投与したグループが68週間で9.6%の体重減、2.4mg投与したグループが同じ期間で13.2%減を記録しました。

1.7mgを投与したグループの72%の人が、体重が5%以上減少しました。
2.4mgを投与したグループでは、83%に同様の体重減少があったそうです。
体重100kgの人なら、ウゴービの投与だけで5~10kgの体重減少が期待できることがわかります。

ウゴービには有害事象も報告されていますが、特に多いのが胃腸障害です。
1.7mgを投与したグループの64%、2.4mgを投与したグループの59%の人が胃腸障害を訴えました。
ただ、食欲の低下が目的の薬ですから自然な結果と言えるでしょう。